「経理事務」の募集要項に、工事書類の作成や現場との連絡、備品管理まで入っていないでしょうか。
中小の建設会社では、経理・工務・施工管理補助・総務・庶務が「事務」という一つの箱に入りやすくなります。その状態のまま求人を出すと、募集する業務範囲が広くなり、入社後の役割も定まりにくくなります。このページでは、自社雇用と経理代行のどちらが安いかではなく、どの業務を社内に残し、どの業務を外に出せるのかという順序で整理します。人を採用するかどうかを決めるのは、その後でも遅くありません。

「経理事務」を募集したはずなのに、
仕事の範囲が広がっていませんか

ある建設会社で、事務担当者に任せている仕事を分類すると、次のようになりました。

分類業務の例
経理請求書の発行、入金確認、支払管理、会計入力、経費処理、税理士への資料準備
工務・施工管理補助工事書類の作成、各種申請、現場情報の整理、協力会社との連絡
総務勤怠の集計、入退社の手続、備品管理、社内の各種手続
庶務電話対応、郵便、来客対応、その他の雑務
これらを1人に任せること自体が、間違いというわけではありません。会社の規模によっては、分けないほうが早く回ります。ただし、工事の件数と社員が増えて業務量が積み上がってくると、次のようなことが起こりやすくなります。
  • 何を優先する担当者なのかが、本人にも周囲にも分かりにくくなる
  • 求人票の業務範囲が広くなり、どの経験を持つ人に応募してほしいのかが伝わらない
  • 業務の進め方が担当者の頭の中にしかない状態になる
  • 退職すると、経理と工事書類と総務が同時に止まる
  • 引き継ぎ資料を作る時間が取れず、後任がゼロから覚え直すことになる
  • 本人も、どの分野の知識を伸ばせばよいのかを決めにくくなる

経理と施工管理では、
積み上げるものが違います

同じ「事務作業」に見えても、必要な知識も、経験の積み方も別のものです。

経理工務・施工管理
主な仕事請求・支払・入金・会計・給与工事書類・各種申請・工程・現場調整
主に見るものお金と取引、会社全体の数字工事、現場、工程
必要な知識会計、税務、給与、資金管理工事、工程、施工、安全
経験の方向管理部門工事部門
資格の方向簿記、建設業経理士など施工管理技士、電気工事士など
先にある役割経理責任者、管理部門の責任者施工管理担当、現場責任者
担当する業務が決まると、会社側も本人も「次に何を覚えればよいか」が見えやすくなります。参考までに、それぞれの積み上がり方を並べておきます。

経理側の一例

  1. 経理補助
  2. 請求・支払・月次処理
  3. 簿記・建設業経理士などの知識取得
  4. 工事原価・資金繰り・管理会計
  5. 経理責任者・管理部門の責任者

工務・施工管理側の一例

  1. 工事事務・施工管理補助
  2. 小規模工事の管理
  3. 施工管理技士などの資格取得
  4. 施工管理担当
  5. 現場責任者・工事部門の管理
ここに挙げたのは一例です
会社の規模や工事の種類によって、役割の道筋は変わります。またナビドックスは経理代行であり、人事制度や評価制度そのものを設計する立場ではありません。お伝えしたいのは、経理と工事側では、同じ事務作業に見えても身につく知識の方向が異なるため、業務が混ざったままだと専門分野を定めにくくなる、という点です。

経理を外に出す目的は、
人を減らすことだけではありません

費用の比較だけで見ると、もう一つの側面が抜け落ちます。

経理代行は「社員を雇うより安いかどうか」で比較されがちです。ただ、実際に効いてくるのはもう一つの側面です。経理業務を外に出すと、社内の人材を、社内でしか積めない経験に集中させられます。現場との調整も、協力会社とのやり取りも、顧客対応も、その会社の中にいなければ経験できません。一方で、請求・支払・会計入力・給与計算は、手順が決まっていれば社外でも進められます。

社内の担当者に残す仕事の例

  • 工事書類の作成・各種申請
  • 現場との連携・情報の受け渡し
  • 顧客対応・来客対応
  • 協力会社との調整
  • 施工管理の補助

ナビドックスがお引き受けする経理業務の例

  • 請求書の発行・売掛金の管理
  • 入金確認・支払管理・振込準備
  • 会計入力・月次資料の作成
  • 給与計算
  • 税理士・行政書士への資料連携
  • 工事別の原価・利益管理、資金繰り資料
お引き受けする範囲は会社によって変わります。記帳・給与計算・振込・請求と入金の管理までを基本とし、工事別の原価・利益管理や資金繰り資料まで含める場合は対応するプランが変わります。サービス・料金のページで、建設業経理プラン・経営管理プランの内容をご確認いただけます。

自社雇用と経理代行、
どちらが向いているか

優劣ではなく、向き不向きの整理です。当社が対応しない範囲もそのまま記載しています。

比べる点自社雇用経理代行
日常の細かな依頼・急な頼みごと 向いている。その場で頼める 会社による。連絡の方法と対応の時間帯を決めておく必要がある
電話・来客・庶務などの即時対応 向いている 向いていない。ナビドックスは対応していない
経理の専門業務(工事別原価・資金繰り・給与) 担当者の経験による 向いている
業務量の増減への対応 採用または勤務時間の調整が必要 依頼する範囲の見直しで調整できる
担当者が休んだとき・辞めたとき 1人体制だと業務が止まりやすい 複数名で担当するため止まりにくい
業務の進め方の標準化 社内で手順を決める必要がある 手順と資料の形式が決まっている
始めるときに必要なこと 採用活動と教育 会社ごとのルールの共有と、初期の引き継ぎ

自社雇用が向いている会社

  • 常時、社内に担当者がいる必要がある
  • 電話・来客・庶務まで含めて任せたい
  • 社内に経理責任者を育てたい
  • 社員数・取引量が多く、専任の経理が必要
  • 経理部門を社内組織として持ちたい

経理代行が向いている会社

  • 専任者1人分ほどの経理業務量はない
  • 経理と工務が1人の中で混ざっている
  • 経理経験者の採用が難しい
  • 担当者の退職で業務が止まるのを避けたい
  • 社員には施工・営業・顧客対応に集中してほしい
  • 業務拡大に合わせて経理体制を整えたい
どちらか一方を選ばなければならないものではありません。社内担当者を置いたうえで、経理業務だけを外部化するという組み合わせも可能です。すでに経理担当者がいる会社で、休暇や退職のときに業務が止まらないようにする目的でご利用いただくこともあります。

経理担当者を募集する前に、
一度ご確認ください

求人票と現在の業務を見ながら、当てはまるものを数えてみてください。

  • 求人票に経理以外の仕事が多く入っている
  • 「その他、付随する業務」の範囲が広い
  • 工事書類や各種申請まで任せる予定になっている
  • 経理・総務・工務の区別が決まっていない
  • 今は社長や施工管理担当者が経理を兼務している
  • 退職されると誰も分からなくなる業務がある
  • 採用する人の5年後の役割を説明できない
  • 取得してほしい資格や昇進の道筋を決めていない
3つ以上当てはまる場合は、採用の前に業務を分ける余地があります。採用してから役割を決めようとすると、結局これまでと同じ「何でも任せる」形に戻りやすくなります。先に業務を仕分けておくと、募集する人材像も、入社後に任せる範囲も決めやすくなります。

「全部代行する」前に、
何を外に出すかを整理します

会社によって、社内に残すべき仕事は異なります。ナビドックスでは、現在行っている業務を確認したうえで、社内で行う業務、経理代行として引き受ける業務、税理士や行政書士などの専門家と連携する業務に分け、必要な範囲からお手伝いします。

何でも屋としてお引き受けするのではなく、経理として外部化できる仕事を整理して引き受ける。これが当社の関わり方です。電話番や来客対応、備品管理といった庶務は対応しておりません。すべてを一度に整える必要はなく、優先順位を決めて順番に進めていきます。

よくある質問

経理担当者を採用するのと経理代行では、どちらが費用を抑えられますか?

業務量によって変わるため、どちらが安いと一律に申し上げることはできません。目安として、経理業務が一日数時間に満たない場合は経理代行、常時社内に人が必要で来客対応や庶務まで任せたい場合は自社雇用が合いやすくなります。ナビドックスでは、現在の業務量と依頼したい範囲を確認したうえで、対応範囲と料金をご案内しています。

社内に経理担当者がいる状態でも経理代行は使えますか?

はい。社内担当者と分担する形でご利用いただけます。日々の入力や現場との連絡は社内で行い、工事別の原価・利益管理、月次資料の作成、税理士へ渡す資料の準備をナビドックスが担当する、といった分け方が可能です。担当者が1人しかいない会社では、休暇や退職で業務が止まらないようにする目的でご利用いただくこともあります。

経理と工事書類を1人に任せていますが、どこから分ければよいですか?

手順が決まっていて、会社の外とのやり取りが定型的な業務から分けると進めやすくなります。請求書の発行、入金確認、支払管理、会計入力、給与計算は形式が決まっているため外部化しやすい業務です。一方、現場との調整、協力会社への連絡、来客対応は社内に残ります。まず現在の業務を書き出し、この2つに仕分けるところから始めます。

経理代行に切り替えると、現場からの問い合わせは誰が受けますか?

現場や来客からの即時の問い合わせは、社内で受けていただく形になります。ナビドックスがお引き受けするのは経理業務であり、電話番、来客対応、備品管理といった庶務は対応しておりません。そのため、社内に事務担当者を置いたうえで経理業務だけを外部化する、という組み合わせをご案内する場合もあります。

経理を採用する前でも、ご相談いただけます

「経理を1人採用すべきか」「今いる事務担当者の仕事を整理したい」「どこまで外注できるか分からない」という段階で構いません。
現在の業務を確認しながら、社内に残す仕事と外部化できる仕事を一緒に整理します。東京・千葉対応。